夏への扉-ロバート・A・ハイラン

2008,12月 20 at 12:33 am (日常) (, , , , )

猫好きは必読と言うような紹介によって買ったのだが、知名度の高い傑作であると言うことは知らなかった。
内容としてはそこまで濃いSFであるとは思わなかった。

主人公が冷凍睡眠保険により年をとらずに三十年後に目覚め、さまざまな仕事をしていくうちに自分が現在ある機械が、自分の発想と全く同じであることに気づく。
そうしてタイムマシンでまた三十年前に戻り未来で自分の発明だと思ったものを完成させてから、再び冷凍冬眠保険で三十年後に目覚めて、恋人とハッピーエンド。

正直ありふれた感想で面白くてすらすら読めて良かったのだが、濃いSFを期待していると肩透かしを食らう。
発表された当時に読めばおそらくなかなか先進的なことを書いているのだと思うけれど、今の時代に読むとありきたりな設定と思わざるを得ない。
面白さには影響は無いのだがあえて苦言を呈するならその辺りだろう。
あとは猫がやたらプッシュされている割にはそこまで重要な存在とは思えなかったのが心残りだ。

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マイノリティリポート

2008,12月 20 at 12:19 am () (, , , , )

トムクルーズ主演で映画化されたのを公開当時見たのだがいまいち理解出来なかった記憶がある。
たしかトムは近未来の警察組織だかなんだかに所属している捜査官だったきがするのだが、その未来の警察では予知能力者を使い、犯罪を起こすと予知された人間を事前に捕まえることが許されていると言う設定だったと思う。
けれどある日トムが犯罪することを予知され、これは陰謀ではないかと予知能力者のうちのマイノリティリポートを手にいれ無罪を証明しようとすると言うのが大まかな流れだったと記憶している。

さてフィリップ・K・ディックの原作のほうはと言うと、大体の世界観は一緒である。
主人公は警察組織の責任者であり、ある日配属された部下が自分の地位を狙っているのではないかと疑心暗鬼になっているなか、ある日自分が名前も知らない人間を殺すと予知される。
それを主人公のアンダートンは一方的に部下であるウィットワーと妻の共謀だと思い込み、殺すと予知された人物と接触しつつ、最終的には警察により不要になりつつあった軍部の陰謀であることに気づく。
話としては映画と若干違う気がする。そして小説を読んでやっと意味が理解できた。
3人のプレコグの予知は全部正しくて時間軸がずれているだけであったというのが話の肝だろう。
だからどれも正しくないのだけど正しいという逆説が生じる。
人に説明しようとすると難しいが、とにかくその予知を見れる立場である主人公だからこそこのようなことが起こったと言うことだろう。
近未来的な雰囲気が感じられて良かった。さくさく進むので時間を忘れて熱中して読めたのは良い小説だからだろう。

他にもいくつかの短編が入っていたのだが、『追憶売ります』というのも面白かった。主人公が火星に行くという疑似体験をすることが発端で色々な過去が浮き彫りになると言う話だ。
最初は主人公が追い詰められていくサスペンスかと思っていたら、意外にもユーモアの聞いたラストでどんでん返しが良かった。

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