幼年期の終わり-アーサー・C・クラーク
アーサー・C・クラークの作品は哲学的に考えさせられる作品を書く人なのだなぁと思った。
以前読んだ『2001年宇宙の旅』もそうだったが、この『幼年期の終わりも』同様だった。
人類がようやく宇宙に進出するというところに突然未知の高等生物が地球に訪れてきて、その高度な文明、知識により地球に平和をもたらすがその生物の真の目的は何か、というのが大まかな流れだ。
この生物がくることによって人類は真の争いのない平和を手に入れるがそれが本当に幸せなのか、そう考えさせられる。
争いがなくなると新しい文化が造られなくなるとあったが、この考えは何となく理解できた。
何かしらの現状に不満がないと新しいものを生み出す活力が生まれない気がする。結局楽しければ良いという、今あるものを焼きましたものしか生まれ得ないのだろう。
でもそれは争いがなければ進歩しない人間の悲しい性でもあるのだなと思うと悲しくなる。
必要悪ということになるのか。
戦争がある意味で芸術を生み出している面は否定できないと思う。
ピカソの『ゲルニカ』しかり、ドラクロアの『民衆を導く自由の女神』しかり、ゴヤの『マドリード、1808年5月3日』しかり。
人類から戦争を取り上げたら何が残るのだろうか。
